あ、BARもカフェも辞めよ。

ある日そう思ったのだ。当時の私は広島本通り商店街のど真ん中にある、そのチェーンでは中四国で最大と言われるカフェで働いていた。

手取り18万円弱、社会保険付き。生きていくには十分。使い方を間違わなければ貯金も浪費もできる額である。

さらに当時は実家に住まわせてもらっており、副業でせどりもしていた。家賃と食費がかなり浮いている上、せどりでも毎月5〜10万円は粗利益を出していた。「なのに」である。

あ、BARもカフェもダメなんだ。

確信したのであった。きっかけは、小さいが沢山あったように思う。

年齢的に実家暮らしがしんどかったこと。せどりの収益は安定しておらず、労働的な側面を面倒に思っていた事。カフェの業務内容を単調に思い始めていたり、若い子たちの間に入っていくのにも負荷が掛かるようになっていたこと。

全てを言語化することはできないが、細かくはもっと沢山あるだろう。

バリスタやバーテンダーが人気な理由

本来は良いはずである。BARで働こうとカフェで働こうと自由だ。

・おしゃれに働きたい
・格好良くみられたい
・カクテルやラテを作ってみたい
・カフェやBARの顧客体験がある
・従業員同士の人間関係が良さそう
・お客さんとのコミュニケーションがありそう
・将来は独立がしたい
・知識、技術を身につけたい

いいのだ。それはそれで。働くのは自由である。「アルバイトとして」なら。

何となくかっこいいは、給料安い。

残念だがこれに尽きる。

前述したように、カフェやBARで働く理由・メリットは沢山ある。私もそれを甘んじて享受してきた。

だが給料が安いのであれば、社会保険に入って月に20日以上の時間を費やすべきではない。つまり私が言いたい事は2つ。

  • 社員として働くな
  • 同じ時間社員として働くなら給料の良い場所に行け

あなたがもし大学生で、あるいは主婦で扶養内で働きたい場合、カフェやBARで働くのは全く問題ない。むしろ綺麗めに、格好良く働けて良い。

色々な飲食店を経験してきたが、カフェやBARは実際にラクである。外(顧客)から見た印象よりしんどいのは当然であるが、中(外食産業)と比べると業務内容は非常に綺麗で楽である。

だから安い。今この記事を読んでいるその場で、近場のカフェの求人情報を調べてみるといい。ファミレス、定食、ファストフード、ラーメン屋、あらゆる他の飲食店と比べてもほとんどの場合で低賃金である。

今調べたのがアルバイトの求人であったなら、今度は正社員としての求人を見てみてほしい。間違いなく5〜10万円ほどの差がある。

繰り返しになってしまって恐縮ではあるが、生活や人生に余裕のある人がそういった場所で働くのは自由である。当ブログの読者は、ほとんどの場合そうではないはずである。

フリーターの期間が長かった。名も知られていない小さな企業で、社会保険にも入れられず働いてきた。結婚や出産などライフイベントを機に、決死の覚悟で転職活動をしている。借金を返す必要がある。そんな人たちだ。

一発逆転は無理でも、コツコツ1点ずつ返していくスタイルは可能だ。それが過去の私にとっては外食産業であった。

営業会社に入り1日に100件の飛び込み営業をかけてもいい。流行りのプログラミングを習得しIT業界に飛び込んでもいい。副業でブログやせどりをしてもいい。

だが私が選んだのは外食産業だ。羅列したような「能動的」作業がなく、受動的に職場を守ってさえいれば安定した給料が保証されている、ある側面ではヌルい楽園であるからである。

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